大学生の時に学んだ「現代ポートフォリオ理論」は2資産(銘柄)までの計算だったので、比較的簡単でした。
しかし私のポートフォリオは、以下の通り10資産(銘柄)を超えています。
資産クラス(日本株式や先進国株式という単位)であれば、「myINDEX」を使うことで効率的フロンティアを導けます。
しかし、ETFや個別株となってくると計算できるサイトが少ないです。
なので今回は、ETFや個別株で構成している私のポートフォリオにおけるリターン・リスク計算を行ってみました。
最終的なアウトプットイメージは以下の通りです。
- ETF・個別株3銘柄以上のポートフォリオで運用している
- 統計学の知識はないけど、自分で計算してみたい
実際に利用したエクセル表や関数も紹介していますので、エクセルが触れる人なら何とかなるはず。
※今回、色々なサイトを参考にしてみましたが、サイトによって算出手順が人によって異なりました。
その中でも、もっとも参考になったのはKazuさんでした。
目次
3資産以上ポートフォリオのリターン・リスクの計算手順
まずはじめに、ポートフォリオのリターン・リスクを計算する流れを示します。
- 各銘柄のリスク・リターンを取得する
- 銘柄間の相関係数表を作成する
- 標準偏差表を作成する
- 共分散表を作成する
- 投資比率表に入力する
- リターン・リスク図などを作成する
手順①:各銘柄のリターン・リスクを取得する

リターン・リスク・相関係数表
まず初めに各銘柄のリターン・リスクとして、「Portfolio Visualizer」からインフレ率調整後のCAGRとstdevを取得しています。
なお右肩上がりの期間を指定すると、リターンが高く算出されてしまうので、「いつのデータ」を指定するか重要!
というわけで私は、2007年1月からのデータを利用することにしました。
- リターンが高く算出されすぎないように、リターン算出期間に拘りたい
- リーマンショック(2008年発生)の前年開始とする。その後、チャイナショック、コロナショックが起きている。
- 2007年1月に存在しない銘柄は、開始日からのデータを利用する。
- チャイナショック、コロナショックが発生している。
手順②:銘柄間の相関係数表を作成する
銘柄間の相関係数を算出するために、各銘柄の市場価格を知る必要があります。
今回は「Yahoo Finance」から過去データをダウンロードしました。

銘柄ごとの株価推移表
Yahoo Financeのヒストリカルデータをダウンロードし、各月の終値を入力しました。
過去に株式分割していたMO(アルトリア・グループ)は、株式分割を考慮した価格では無かったです。
なので株式分割調整後のデータを「Yahoo Japanファイナンス」のデータを反映しました。

相関係数表
株価推移表のデータをインプットにして、相関係数を算出しました。
※文字を白塗りしている箇所にも値が入力しています。
=correl(銘柄Aの株価推移,銘柄Bの株価推移)
手順③:標準偏差表を作成する

標準偏差表
「手順④:共分散表を作成する」の準備として、各銘柄の標準偏差(=リスク)を上画像のように入力します。
※文字を白塗りしている箇所は空白ではなく「0%」としています。
各銘柄の標準偏差は「手順①:各銘柄のリターン・リスクを取得する」を参照。
手順④:共分散表を作成する

共分散表
共分散表の一番左上のセルで、以下の関数を入力します。そうすると共分散表は全て値が自動入力されます。
=mmult(mmult(標準偏差表,相関係数表),標準偏差表)
手順⑤:投資比率表に入力する

投資比率表
沢山のポートフォリオシナリオを作成します。私は70個ほど作成しました!
それぞれのポートフォリオのリスク・リターン・シャープレシオの計算式は以下の通りです。
=MMULT(TRANSPOSE(リターン・リスク・相関係数表のリターン部分),投資比率表の算出対象ポートフォリオ比率部分)
=sqrt(MMULT(MMULT(TRANSPOSE(投資比率表の算出対象ポートフォリオ比率部分),共分散表),投資比率表の算出対象ポートフォリオ比率部分))
=上記で算出したリターン/上記で算出したリスク
※無リスク資産のリターンを”0″としています。
上記の他にも、配当利回り表を作成して「ポートフォリオの配当利回り」を算出しました。
手順⑥:リスク・リターン図などを作成する

ポートフォリオシナリオの比率グラフ
私が作成したポートフォリオシナリオ(現在のもの+70個)をグラフ化してみたり。

リスク・リターン図
リスクとリターンの分布図を作ってみたり。現在のポートフォリオは赤色の星(★)部分です。

配当利回りとシャープレシオ図
配当利回りとシャープレシオの分布図を作ってみました。
ぶるたろう
自由にカスタマイズできるのが、Excelで作るメリット!
もっと拡充していくか!!
以上です。関連記事も合わせてどうぞ。
▼シーゲル教授の教えに倣いつつ、米国株ポートフォリオを構築しています。バイアンドホールド・配当再投資戦略で頑張ります。
