米国株の投資対象を決めるにあたり、生活必需品セクター銘柄の配当、増配年数、PER(株価収益率)を調べました。
目次
米国株11セクター(業種)とは?
米国株のセクター(業種)は、11つに分類されます。
- 情報技術
- ヘルスケア
- 一般消費財・サービス
- 生活必需品
- 資本財・サービス
- 素材
- 公益事業
- エネルギー
- 電気通信サービス
- 金融
- 不動産
シーゲル教授著「株式投資の未来」によると、1957年~2003年において好成績を残していたのは、ヘルスケアと生活必需品でした。
本記事では生活必需品セクターにフォーカスし、投資すべき銘柄を探していきます。
ヘルスケアセクター銘柄に関しては以下の記事をどうぞ。
米国生活必需品セクターの成績シミュレーション
生活必需品セクターの魅力を探るべく、バックテストしてみました。
※ツールは「PORTFOLIO VISUALIZER」を使用。
- Portfolio1=VDC(バンガード・米国生活必需品セクターETF)
- Portfolio2=SPY(SPDR S&P500 ETF)
2005年~2018年における投資成績
2005年に10,000ドルを投資した場合、VDCはSPYより上回っています。
- Portfolio1:VDC
- 2018年の金額=32,792ドル
- 年平均成長率=8.85%
- Portfolio2:SPY
- 2018年の金額=27,413ドル
- 年平均成長率=7.47%
2005年~2018年における年別リターン
リーマンショックのあった2008年を見ると、VDCはSPYより暴落幅は小さいです。
VDCのβ値(個別株のリターン÷市場全体のリターン)が小さく、市場全体より穏やかな動きをします。
- Portfolio1:VDC
- 2008年の下落率=−16.57%
- β値=0.57
- Portfolio2:SPY
- 2008年の下落率=−36.81%
- β値=0.96
生活必需品セクター銘柄の配当利回り・増配年数・PER
S&P500に連動するETF(SPYやVOO)へ投資して市場平均を狙うのも、生活必需品セクター特化のETF(VDC)を買うのも良し。
しかし僕は個別株を買って、インデックスを上回るリターンを狙っていきたいです。
生活必需品セクター銘柄も沢山あるので…
VDCの構成銘柄トップ10に含まれている銘柄から、以下基準でフィルタして2,3銘柄に絞っていきます。
- 配当利回り…SPY(2.02%)やVDC(2.75%)を上回る
- 増配年数…10年以上増配している
- PER(株価収益率)…出来れば20以下を目安にする
VDCの構成銘柄トップ10
銘柄 | 配当利回り | 増配年数 | PER |
【PG】 プロクター&ギャンブル | 3.11% | 62年 | 23.10 |
【KO】 コカ・コーラ | 3.31% | 56年 | 42.16 |
【PEP】 ペプシコ | 3.38% | 46年 | 21.37 |
【WMT】 ウォルマート | 2.20% | 44年 | 29.31 |
【PM】 フィリップモリス | 6.76% | 11年 | 13.73 |
【COST】 コストコホールセール | 1.10% | 15年 | 28.79 |
【MO】 アルトリア・グループ | 6.56% | 10年 | 13.70 |
【WBA】 ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス | 2.51% | 43年 | 14.15 |
【MDLZ】 モンデリーズ・インターナショナル | 2.52% | 5年 | 21.73 |
【CL】 コルゲート・パルモリブ | 2.80% | 55年 | 22.97 |
※2018/11/30時点の構成銘柄です。2019/1/7に①配当利回りと③PERは楽天証券、②増配年数はdividend.comからデータ取得しています。
3つの条件を満たした銘柄は、PM(フィリップモリス)とMO(アルトリア・グループ)でした。
両方は1つのタバコ会社でしたが、分社化された背景があります。現在は地域で担当分けしています(MOは米国内、PMは米国外)。
僕はMOへ投資することを決めましたが、PMも投資対象にするか迷いますね。後日、結果をブログに書きます。
なおPERだけ条件に合致しませんでしたが、配当王銘柄であるPG(プロクター&ギャンブル)やKO(コカ・コーラ)を見逃せません。
そこまでPERが高くないPGだけは投資対象にし、KOは割安感が出てきたら買っていきたいです。
選定した2銘柄(MO・PG)のパフォーマンス
MO(アルトリア・グループ)とPG(プロクター&ギャンブル)は、S&P500を上回るパフォーマンスを発揮してきたのでしょうか。
それぞれ見ていきます。
MO(アルトリア・グループ)の過去パフォーマンス
1994年に10,000ドルを投資した場合、MOはSPY(SPDR S&P500 ETF)と圧倒的な差を見せています。
参入障壁が高いタバコ産業であり、ブランド力が半端ないです。
- Portfolio1:MO
- 2018年の金額=407,566ドル
- 年平均成長率=15.99%
- Portfolio2:SPY
- 2018年の金額=85,299ドル
- 年平均成長率=8.95%
PG(プロクター&ギャンブル)の過去パフォーマンス
1994年に10,000ドルを投資した場合、PGもSPYより好成績です。
PGはブランド力が高く、グローバル展開に成功しているトップ企業であるのは安心材料です。
- Portfolio1:PG
- 2018年の金額=119,063ドル
- 年平均成長率=10.42%
- Portfolio2:SPY
- 2018年の金額=85,299ドル
- 年平均成長率=8.95%
まとめ:MOとPGへの投資理由
以下の理由から、僕はMOやPGへ継続投資していきます。
- 生活必需品セクター銘柄(好成績&ディフェンシブ)
- ヘルスケアセクターよりも下落相場に強い!
- 良い会社であることは間違いない(バンガードが選別したTOP10銘柄)
- 高配当であり、連続増配
- 比較的、割安感がある
- S&P500を上回るパフォーマンス
- 老舗・ブランド企業
過去データのように必ずしも好成績になるわけではありませんが、「勘」より「蓄積されたデータ」を信じた方が良いと思っています。
まずは10年後が楽しみです。
▼ブログで投資成績を公開していきます。

