会社に入社したばかりの新卒・中途の方は、勤め先の株式を買う「従業員持株会」制度をやるべきか迷う人も多いと思います。
僕は従業員持株会をやっているものの、誰しもが安直にやるべきではないと考えています。その理由をこれから説明していきます。
目次
従業員持株会のメリット①:給与天引きによる強制積立

引用:野村證券
従業員持株会の仕組みを簡単に説明しておきます。
- 僕たち会社員の給料から天引きでお金を出す。
- そのお金を使って「従業員持株会」が勤め先の株式を買う。
- 出したお金に応じて、買った株式が配分される。
上記の通り、月給やボーナスから決めた額を天引きしてくれるので、半ば強制的にお金を貯められます。
ついつい、お金を持っていると使ってしまう人にオススメです。
従業員持株会のメリット②:少額から始められる
日本株式の場合、通常なら100株単位で購入する必要があります。しかし従業員持株会の場合、細かい単位で買付できます。
例えば「王将フードサービス」の場合、1株7,140円です。
従業員持株会を使わず、僕ら個人が「王将フードサービス」の株式を買いたい場合、100株ごと売買することになります。
要するに、1回の売買で最低714,000円を必要とします。
この金額をまとめて支出するのは抵抗がありますし、お金を貯めるまで買えません。
しかし従業員持株会であれば「毎月1万円分だけ買いたい」といったニーズを満たすことができます。
従業員持株会のメリット③:奨励金で安く買える
従業員持株会は、会社から奨励金が出ることが多いです。従業員持株会を利用して株式を買った時点で、大きなリターンを得られるのです。
※会社から出た奨励金以上に、株価が下振れしたら損する。
僕が勤めている会社の場合、10%の奨励金が出ます。要するに給料から10,000円を支払うだけで、11,000円分の株式を購入できています。
ぶるたろう
従業員持株会のメリット④:愛社精神が芽生えるかも
「勤め先の株式を買うことで、愛社精神が育まれる」という人も居ますね。
「自身の頑張りが会社の成長に繋がる。そうすれば株価が上がる!」という論理で、仕事を頑張れるタイプの人です。
なお転職するたびに持株会に加入している僕は、今まで愛社精神が芽生えたことはありません。
従業員持株会のデメリット①:勤め先の業績に振り回される
従業員持株会のメリットに惹かれすぎて、無暗にはじめるのは危険!勤め先の株式に依存し過ぎると、会社の業績が傾いた時に大変です。
勤め先が倒産した場合、株券はただの紙切れになりますし、就職先を探す必要があります。
勤め先の成長に期待できないなら、従業員持株会を始めない方が良いですし、転職を視野に入れるべきでしょう。
従業員持株会のデメリット②:好きなタイミングで売れない
従業員持株会は好きなタイミングで売れないのがネックです。むしろ売りにくい仕組みになっているように感じます。
インサイダー取引に該当しないように事前承認が必要であったり、事務手続きに時間を要したりします。
せっかく「株価が上がっているし、今すぐに売りたい」と思っても、すぐに売れないんです。
僕が新入社員の時に勤めていた会社では、直属の部長へ承認をもらい、コンプライアンス部へ申請するプロセスでした。おかげで絶好のタイミングを逃しましたとさ…
従業員持株会のデメリット③:株主優待をもらえない

引用:野村證券
「従業員持株会」の名義で株式を購入する仕組みなので、勤め先が株主優待を出していても、優待は自分のモノになりません。
※勤め先が株主優待を出しているかチェックしたい人は、楽天証券の株主優待検索で調べられますよ。
株主優待を自分のモノにするには、個人口座を開設して引き出し申請することになります。
ただし1単元(多いのは100株単位)での引き出しになったり、個人口座はどの証券会社でも良いわけではありません。
勤め先の社内ホームページなどで、「従業員持株会」の内容をチェックしておきましょう。
さいごに:勤め先の株式を買っても良いが、全て自己責任
「皆が買っているから」「お得に買えるから」という理由で、勤め先の株式を買うのは辞めましょう。
従業員持株会は福利厚生のように見えますが、れっきとした投資です。損しても会社の責任ではなく、あくまでも自己責任ということ。
しっかりメリット・デメリットを吟味したうえで、従業員持株会をはじめましょう。
- 奨励金で安く買える
- 少額から始められる
- 給与天引きにより、強制的に積立できる
- 愛社精神が芽生えるかも
- 勤め先の業績に人生を左右されるリスク
- 好きなタイミングで売れない
- 株主優待をもらえない
▼勤め先に不安を覚えるなら、自分で投資の道を歩みましょう。アインシュタインも驚愕の「複利効果」を活かすべきです。

▼株主優待・配当金生活を目指すのも面白いです!正直、お金を銀行に預けておくのはモッタイナイです。
