ウェルスナビは自動で資産運用できるとは言っても、運用先が安心できるか気になるところ。
本記事はウェルスナビの運用先である7銘柄を分かりやすく説明します。
ウェルスナビを始める前の参考になれば幸いです。
目次
ウェルスナビの運用先は安心できる?7銘柄一覧
ウェルスナビが採用しているETF(上場投資信託)は、以下7銘柄です。
資産クラス | 銘柄 | 資産運用会社 | 運用歴 |
①米国株 | VTI | バンガード | 2001年~ |
②日欧株 | VEA | 2007年~ | |
③新興国株 | VWO | 2005年~ | |
④米国債券 | AGG | 2003年~ | |
⑤物価連動債 | TIP | ブラックロック | 2003年~ |
⑥不動産 | IYR | 2000年~ | |
⑦金(ゴールド) | GLD | ステート ストリート | 2004年~ |
世界最大級の資産運用会社3社が長年運用している、定評のある銘柄で構成されています。
どのようにウェルスナビは運用先を選んでいるのか?

引用:ウェルスナビ
金融庁への届出がされている米国ETFから、ウェルスナビは7銘柄を選んでいます。
その基準は4つありますが、簡単に言えば「投資の王道」を貫いていると言えるでしょう。
- 資産クラス全体に連動するインデックス型
- 償還リスクが低い
- 流動性が高い(取引額が多い)
- コストが低い
資産クラス全体に連動するインデックス型
ウェルスナビは各資産クラスの全体的な動向を示す指数に連動するETFを候補にしています。
例えば、資産クラス「米国株」の運用先であるVTIは、米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーしている指数との連動を目指したファンドです。
指数の2,3倍を目指す「レバレッジ型」や、指数とは逆の動きをする「インバース型」は対象外。
償還リスクが低い
運用会社が運用を辞めてしまって、その時の評価額が返金される償還リスクは認識しておくべきです。
- 値上がり中なら、自分が望んでもいないのに利益確定。想定外の税負担が発生!
- 値下がり中なら、損失を確定することに。損を抱えていても、売らなければ損になりません。
といったことは避けるべく、ウェルスナビは純資産総額が大きく、足もとで大きな資金流出が起きていないETFを選んでいます。
流動性が高い(取引額が多い)
いつでも適正価格で取引できるように、ウェルスナビでは流動性が高いETFを選んでいます。
流動性が低いと…買いたくても買えなかったり、高値でしか買えないこともあります。売却についても同様です。
コストが低い
ETFは取引時だけでなく、保有していてもコストが発生します。ウェルスナビでは取引・保有コストが低いETFを対象にしています。
- 取引:売買スプレッドを考慮
- 保有:経費率の低さ
これから7つの運用先を見ていきましょう。
ウェルスナビの運用先①:米国株(VTI)

VTIチャート(~2018/12/22)
VTIは米国の大型株~小型株へ幅広く投資しており、これ1本で米国経済成長の恩恵を享受できます。
運用開始以降、長期で見るとVTI価格は上昇傾向です。売却益だけでなく、配当にも期待できます。
VTIの基礎情報
シンボル | VTI |
名称 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
資産運用会社 | バンガード |
運用開始日 | 2001年5月24日 |
ベンチマーク | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
経費率 | 0.03% |
配当回数 | 3か月に1度 |
直近配当利回り | 2.34% |
VTIの組み入れ銘柄TOP10
上位10銘柄は世界的に有名な企業ばかりです。これらが全体の18.2%を占めています。
- マイクロソフト
- アップル
- アマゾン・ドット・コム
- アルファベット(グーグル)
- バークシャー・ハサウェイ
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
- フェイスブック
- エクソンモービル
- ファイザー
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ウェルスナビの運用先②:日欧株(VEA)

VEAチャート(~2018/12/22)
VEAはカナダ、欧州や太平洋地域といった先進国市場(米国を除く)の大型~小型株約3,700銘柄で構成されています。
VEAの価格は横ばい状態ですが、配当利回りが良いです。
VEAの基礎情報
シンボル | VEA |
名称 | バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF |
資産運用会社 | バンガード |
運用開始日 | 2007年7月20日 |
ベンチマーク | FTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックス |
経費率 | 0.05% |
配当回数 | 3か月に1度 |
直近配当利回り | 4.19% |
VEAの投資地域
VEAは日本を筆頭に、ヨーロッパ・カナダ・太平洋地域の株式へ投資しています。
- 日本:22.7%
- イギリス:15.1%
- カナダ:8.4%
- フランス:8.2%
- ドイツ:7.3%
- スイス:7.0%
- オーストラリア:6.1%
- 韓国:4.4%
- 香港:3.2%
- オランダ:2.9%
- その他…
VEAの組み入れ銘柄TOP10
上位10銘柄が全体の10.2%を占めています。
- ネスレ
- ロイヤル・ダッチ・シェル
- サムスン電子
- ノバルティス
- ロシュ
- HSBCホールディングス
- トヨタ自動車
- ユニリーバ
- トタル
- BP
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ウェルスナビの運用先③:新興国株(VWO)

VWOチャート(~2018/12/22)
VWOはブラジル・ロシア・インド・台湾・中国・南アフリカを含む新興国市場の大型株~小型株へ幅広く投資しています。
VWOの価格は横ばい状態ですが、配当利回りは高めです。
VWOの基礎情報
シンボル | VWO |
名称 | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF |
資産運用会社 | バンガード |
運用開始日 | 2005年3月4日 |
ベンチマーク | FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス |
経費率 | 0.12% |
配当回数 | 3か月に1度 |
直近配当利回り | 2.74% |
VWOの投資地域
VWOは中国・台湾を筆頭に、ヨーロッパ・カナダ・太平洋地域の株式へ投資しています。
- 中国:34.7%
- 台湾:14.1%
- インド:11.7%
- ブラジル:8.5%
- 南アフリカ:6.8%
- その他…
VWOの組み入れ銘柄TOP10
上位10銘柄が全体の20.2%を占めています。
- テンセント
- 台湾積体電路製造
- アリババ
- ナスパーズ
- 中国建設銀行
- 中国工商銀行
- 中国平安保険
- 中国移動通信
- バイドゥ
- リライアンス・インダストリーズ
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ウェルスナビの運用先④:米国債券(AGG)

AGGチャート(~2018/12/22)
AGGは米国の優良債券で構成されています。
価格は非常に安定的であり、配当金を狙った投資が可能です。(ウェルスナビは配当が自動で再投資される)
AGGの基礎情報
シンボル | AGG |
名称 | iシェアーズ・コア 米国総合債券市場ETF |
資産運用会社 | ブラックロック |
運用開始日 | 2003年9月22日 |
ベンチマーク | ブルームバーグ・バークレイズ米国総合インデックス |
経費率 | 0.04% |
配当回数 | 毎月 |
直近配当利回り | 2.33% |
AGGの資産構成
- 財務省:38.7%
- モーゲージ・パススルー証券:27.8%
- 資本財・サービス:14.8%
- 金融機関:8.0%
- 政府機関:2.6%
- その他
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ウェルスナビの運用先⑤:物価連動債(TIP)

TIPチャート(~2018/12/22)
債券はインフレに弱い性質を持ちます。TIPはインフレ耐性のある米国国債で構成されています。
ちなみにウェルスナビの「リスク許容度」を1か2にすれば、本銘柄がポートフォリオに組み込まれるみたいです。
TIPの基礎情報
シンボル | TIP |
名称 | iシェアーズ米国物価連動国債ETF |
資産運用会社 | ブラックロック |
運用開始日 | 2003年12月4日 |
ベンチマーク | ブルームバーグ・バークレイズ米国TIPS インデックス(シリーズL) |
経費率 | 0.2% |
配当回数 | 毎月 |
直近配当利回り | 1.98% |
TIPの資産構成
- 財務省証券:99.99%
- キャッシュ等:0.01%
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ウェルスナビの運用先⑥:不動産(IYR)

IYRチャート(~2018/12/22)
IYRは米国の不動産REITへ投資しています。これ1本で米国REIT市場に分散投資できるのは素晴らしいです。
リーマンショックで大きく下落しましたが、しっかり値を戻しています。IYRは配当も高めです。
IYRの基礎情報
シンボル | IYR |
名称 | iシェアーズ米国不動産ETF |
資産運用会社 | ブラックロック |
運用開始日 | 2000年6月12日 |
ベンチマーク | ダウ・ジョーンズ米国不動産指数 |
経費率 | 0.43% |
配当回数 | 3か月に1度 |
直近配当利回り | 3.94% |
IYRの資産構成
- 専門不動産:31.62%
- 住宅用不動産:14.05%
- 店舗用不動産:13.22%
- ヘルスケア不動産:9.74%
- オフィス不動産:9.28%
- その他
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ウェルスナビの運用先⑦:金(GLD)

GLDチャート(~2018/12/22)
GLDは金の国際価格を連動対象としている、世界最大の金ETFです。
金は「有事の金」「不況の金」と言われていますが、ポートフォリオに少し組み込むことで安定感をもたらします。
GLDの基礎情報
シンボル | GLD |
名称 | SPDRゴールド・シェアETF |
資産運用会社 | ステート ストリート |
運用開始日 | 2004年11月18日 |
ベンチマーク | 金の国際価格(ロンドン午後金決値決め) |
経費率 | 0.4% |
配当回数 | なし |
直近配当利回り | なし |
※詳細はSPDR公式サイトをどうぞ。
さいごに:ウェルスナビは分散投資が気軽にできる
僕は楽天証券で個別にETFを買っていますが、毎月買うのは面倒です。しかしウェルスナビは超簡単にETFを購入してくれます。
- 米国株:VTI
- 日欧株:VEA
- 新興国株:VWO
- 米国債券:AGG
- 物価連動債:TIP
- 不動産:IYR
- 金(ゴールド):GLD
10,20年後がどうなるか今から楽しみですね。皆さまも一緒にウェルスナビで資産運用しましょう。
以上です。
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