ジェレミー・シーゲル教授の著書「株式投資の未来」を読んでいたところ…
インターネットバブル(1990年代前期~2000年代初期)と仮想通貨バブル(2017年末~2018年頭)の共通点に気づきました。
本記事では今後バブルに飲み込まれても冷静な判断ができるよう、教訓をまとめてみました。
2018年の仮想通貨バブルを振り返る
仮想通貨バブル。今思えば、あの時の雰囲気は異常でしたね。
仮想通貨の代表格であるビットコインは…

ビットコインのチャート(2017/1~2018/12)
- 2017年1月=10万円
- 2017年9月=40万円(4倍)
- 2017年12月=220万円(22倍)
リップルの価格も異様に高騰しました。

リップルのチャート(2017/1~2018/12)
- 2017年1月=0.7円
- 2017年9月=20円(28倍)
- 2018年1月=385円(550倍)
リップルと同様にNEMも超高騰しました。

NEMのチャート(2017/1~2018/12)
- 2017年1月=0.4円
- 2017年9月=20円(50倍)
- 2018年1月=211円(527倍)
ビットコインなどのメジャー通貨だけでなく、マイナー通貨(草コイン)も盛り上がっていました。

XPのチャート(2017/1~2018/12)
- 2017年12月9日=0.0013円
- 2018年1月5日=0.5893円(453倍)
XPは特殊ですが、人の手によってバブルが創り出されています。
インターネットバブルの特徴とは?共通点を探る
「株式投資の未来」によると、多くの投資家がインターネットバブルに踊らされている頃、シーゲル教授はバブルに気づき警告を鳴らしていました。
本書の第5章「バブルの罠」から重要な箇所を引用し、インターネットバブルと仮想通貨バブルの共通点をまとめます。
報道メディアは……市場の出来事を客観的に伝える観察者という体裁をとっているが、実際には、出来事の当事者になっている。
(投機的なバブルは)一般に、大きな集団がおなじ思考をしはじめて、はじめて発生する。思考を広める上で、報道メディアの役割はなくてはならない
仮想通貨においても、ビットコイン価格が上昇するにつれ、テレビ・雑誌が取り上げるようになりました。
「ビットコインの価格が高騰し、一晩で死ぬほど稼いだ人がいる」というニュースは、バブル真っ只中の兆候と言えそうです。
※ネット上でよく出回っている、詐欺まがいの話は論外。
「クリックは煉瓦づくりの店舗にまさる」という言い回しがインターネット信者の合言葉になり、小売会社はその存在さえ危うくなるといわれた。
インターネット銘柄をめぐって、信者から噴き出した感情と熱意をみるかぎり、こうした投資家が、自分の買った株を理性的に評価していたとは思えない。
ネット信者の大半は、「今回だけはちがう」と思い込み、そうではないという意見に耳を貸さなかった。自分の買った銘柄に惚れ込むという、致命的なまちがいを犯したからだ。
「仮想通貨によって銀行はオワコンになる」と発言したインフルエンサーの影響を受け、ビジネス/ITのことを何も知らない人が同じ発言をしていたのが印象的です。
確かに僕はブロックチェーンによってビジネス/ITの在り方が変わってくると考えますが、まだまだ実用化は先の話。
多くの企業は「様子見」の段階であり、「研究」や「実証実験」を行っているのは稀である印象です。
あらゆる分野で新製品、新会社が次々にあらわれ、途方もない投資機会を提供するだろう。
バブルのもうひとつの兆候は、ほとんどだれも知らない会社に、とんでもない高値がつくことだ。
過去を振り返ると、名も知らない草コインが急に話題になったり、ICOがブームになりました。
ここまで来たら、バブルだと気づいた方が良いのかもしれません。
・・・今思えば、異様な雰囲気でした。
「少し変。出来すぎでは?」と感じていても、周りが盛り上がっていると、自身の感覚も麻痺します。
さいごに:仮想通貨バブルを経た教訓
昭和のバブル景気やインターネットバブル未経験だった僕にとって、仮想通貨バブルを経験できたことは大きな糧となりました。
株式、仮想通貨など、あらゆる市場でバブルは起きます。僕は「バブル崩壊の兆候」を以下のように定義し、そう感じた暁には市場から撤退します。
- 「儲かった!」というニュースが、テレビや雑誌で取り上げられる事が多くなる。
- SNSで「儲かっているぜ!」という煽りが増える。
- 信者が現れ出す。
- あれもこれもと、投資の話が舞い込んでくる。
シーゲル教授の「株式投資の未来」は多くの米国株投資家が読んでいる本ですが、米国株以外にも十分に生かせる内容でした。
まだ読んだことが無い人は、ぜひ読んでみて下さい。
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