投資対象として「VTI」と「VT」のどちらを選ぶべきか?
…米国株投資家の間でしばしば議論されているテーマですが、明確な答えがあるわけではないです。
私は両方を投資対象としていますが、皆さまへ両方をオススメしたいわけでは無いです。
自分の志向に合った選択をしましょう。
目次
「VTI」と「VT」はどっちが良いか?
いきなり結論を申し上げますと、「VTI」と「VT」は共に素晴らしい商品というのが私の見解であり、両方とも投資対象にしています。


他のブログを読んでいると「VTはダメだ。VTIだけで良いよ。」「もはやVTだけで良い。」といったように見解が分かれます。
しかし、これらは優劣をつけられるものでは無い訳で、それぞれ共存すべきものと考えます。
- 過去のパフォーマンスを信じる人
- 米国株信者の人
- 少しでも手数料を抑えたい人
- とにかく国際分散したい人
- 保有銘柄数を最小限に抑えたい人
- 毎月の投資額が低めの人
「VTI」と「VT」を具体的に比較してみる
2つのETF「VTI」と「VT」を比較してみましょう。
自分がどちらのETFに魅力を感じるか判断しながら、読んで頂ければ幸いです。
※最新の情報はバンガード公式サイトをどうぞ。
- 保有銘柄数
- セクター比率
- 組入れ上位10銘柄
- 過去のパフォーマンス
- 配当利回り
- 手数料
- 基準価格
比較①:保有銘柄数

VTの投資地域(2018年10月時点)
分散国数や銘柄数が多い方が良いならVTです。
- VTI
- 米国市場全体のほぼ約100%をカバー
- 3,500以上の銘柄で構成
- VT
- 全世界の株式市場の98%以上をカバー
- 先進国・新興国市場を含む約47か国の約8,000銘柄で構成
- とは言え、今は米国中心
比較②:セクター比率
どの業種に投資しているのか、VTI・VTを比較してみましょう。
セクター | VTI | VT |
素材 | 2.3% | 4.7% |
消費財 | 7.6% | 11.0% |
消費者サービス | 13.5% | 11.4% |
金融 | 19.1% | 21.3% |
ヘルスケア | 13.6% | 11.1% |
資本財 | 13.4% | 14.0% |
石油・ガス | 5.8% | 6.4% |
テクノロジー | 20.1% | 14.8% |
通信サービス | 1.8% | 2.5% |
公益 | 2.8% | 2.8% |
一見、VTの方がバランスが良さそうですが、どっちが優れているという訳ではないです。
比較③:組入れ上位10銘柄
VTの投資先は世界であるにも関わらず、上位10銘柄の顔ぶれは、ほとんど一緒です。米国株の優秀さが伺えます。
銘柄 | VTI | VT |
アップル | 3.3% | 2.0% |
マイクロソフト | 2.9% | 1.6% |
アマゾン・ドット・コム | 2.8% | 1.5% |
アルファベット(Google) | 2.4% | 1.3% |
バークシャー・ハサウェイ | 1.4% | 0.8% |
フェイスブック | 1.3% | 0.7% |
JPモルガン | 1.3% | 0.7% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | 1.2% | 0.7% |
エクソンモービル | 1.2% | 0.7% |
バンク・オブ・アメリカ | 0.9% | – |
ロイヤル・ダッチ・シェル | – | 0.5% |
純資産総額に占める割合 | 18.7% | 10.5% |
比較④:過去のパフォーマンス
2009年に10,000ドルを投資した場合、VTIが圧倒的に成績が良いです。米国の勢いが続くと判断するなら、VTIを購入すべきでしょう。
- VTI
- 10,000ドル→37,741ドル(年平均成長率14.08%)
- VT
- 10,000ドル→26,759ドル(年平均成長率10.25%)
比較⑤:配当利回り
VTIの配当利回りは「1.88%」ですが、VTは「2.35%」でした。配当利回りはVTに軍配が上がります。
比較⑥:手数料
VTIの管理費用は「0.03%」であり、VTは「0.09%」です。単純に比較するとVTIの方が管理費用は安いです。
とは言え、8,000以上の銘柄で構成するVTも破格の安さと言えるでしょう。適宜、銘柄を入れ替えてくれるワケですし。
比較⑦:基準価格
基準価格が低い方が、少額投資家にとってムダなく投資可能ですが、安い方はVTです。
VTI=140ドル、VT=70ドルとして…
- 100ドル分だけ買いたい場合=VTIは買えないが、VTは1株購入できる
- 500ドル分だけ買いたい場合=VTIは3株購入できて80ドル残るが、VTは7株購入できて10ドル残る
まとめ:「VTI」中心に「VT」も買います
「VTI」と「VT」を比較してきましたが、コンセプトは別物なので優劣を付けるべきでは無いでしょう。
という感じで、私は両方ともポートフォリオへ入れています。
2019年1月追記:やはりVT重視にします
「米国株だけを信じ続けられるか?」を自問自答した結果、私はNoでした。
VTを持っておけば、中国やインドが世界の中心になった時代にも対応できるのです。
どう転んでも手放さないで済むと考えます。

以上です。関連記事も合わせてどうぞ。
▼よくVTIとVOOも比較されますね。自分の好きな方を、どちらか選べば良いです。

▼中年サラリーマンである私の米国株ポートフォリオを公開中です!VT中心に頑張っています。
