これまでに延べ100人以上に表計算を教えてきた、ぶるたろうです。
現在は表計算を人に教える立場になりましたが、基本情報技術者を受験する時は「表計算」に苦戦したのを覚えています。
私が教えた会社の後輩も、やっぱり表計算に苦手意識を持っているんですよね。
3つのことを理解しておけば、基本情報技術者試験(FE)の表計算を必ず得点源にできます。
- 演算子
- 絶対参照
- 関数
ぶるたろう
アルゴリズム知識が定着していて、実務経験が無いと難しいです。マクロに勉強時間を割かず、他に費やしましょう!
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目次
「演算子」を攻略する
+は足し算、-は引き算、*は掛け算、/は割り算であることは必ず覚えておきましょう。それでは練習問題です。
問題 | 答え |
10+5 | 15 |
10-5 | 5 |
10*5 | 50 |
10/5 | 2 |
10^2 | 100 |
10*(2+3) | 50 |
比較演算の意味も一通り理解しておきましょう。
- >:より大きい
- ≧:以上
- <:より小さい
- ≦:以下
- =:等しい
- ≠:等しくない
「絶対参照」を攻略する
- B1セルを固定して参照する場合は「$B$1」と入力する。
- B列を固定して参照する場合は「$B5」と入力する。
- 4行目を固定して参照する場合は「C$4」と入力する。
「$(ドルマーク)」を頭につけると、何の意味があるのか理解しておきましょう。
絶対参照に自信のない方は、絶対参照の説明記事をどうぞ。

「関数」を攻略する(関数チェックシート)
基本情報技術者試験は27個の関数を知っておく必要があります。
基本情報技術者試験の関数名は漢字で書かれており、とても難しく感じます。
以下の通り、マイクロソフトExcelで言うと何に該当するか整理していますので、少しは親近感が湧くかも。
基本情報 | Excel | できること |
論理積 | AND | 複数の条件が、全てTRUEかどうか調べる。 |
論理和 | OR | 複数の条件が、一つでもTRUEかどうかを調べる。 |
否定 | NOT | 結果を反転させる。 |
IF | IF | 条件を満たす場合と、満たしていない場合に、返す値を指定する。 |
最大 | MAX | 指定した範囲内の最大値を求める。 |
最小 | MIN | 指定した範囲内の最小値を求める。 |
平均 | AVERAGE | 指定した範囲内の平均を求める。 |
合計 | SUM | 数値の合計を求める。 |
条件付合計 | SUMIF | 1つの条件に一致する数値の合計を求める。 |
個数 | COUNTA | 指定した範囲に含まれる、空白ではないセルの個数を求める。 |
条件付個数 | COUNTIF | 1つの条件に一致するセルの個数を求める。 |
切上げ | ROUNDUP | 数値を指定した桁で切り上げる。 |
切捨て | ROUNDDOWN | 数値を指定した桁で切り捨てる。 |
四捨五入 | ROUND | 数値を指定した桁で四捨五入する。 |
整数部 | INT | 小数点を切り捨てて整数にする。 |
表引き | INDEX | 指定した行番号・列番号にあるデータを取得する。 |
照合一致 | MATCH | 検索範囲内で指定した値で検索し、最初に見つかったセルの位置を数値で返す。 |
照合検索 | LOOKUP | 検索範囲の1行目または1列目で特定のデータを検索し、該当する行の指定列にあるデータを取得する。 |
垂直照合 | VLOOKUP | 検索範囲の1行目で特定のデータを検索し、該当する行の指定列にあるデータを取得する。 |
水平照合 | HLOOKUP | 検索範囲の1列目で特定のデータを検索し、該当する列の指定行にあるデータを取得する。 |
順位 | RANK | 指定した数値の順位を求める。同順位の場合、最上位の順位になる。 |
乱数 | RAND | 0以上で1を超えない数値をランダムで発生させる。 |
統合 | CONCATENATE | 複数の文字列を結合する。 |
剰余 | MOD | 割り算の余りを求める。 |
平方根 | SQRT | 平方根を求める。 |
標本標準偏差 | STDEV | セル範囲に含まれる数値を標本として計算した標準偏差を求める。 |
母標準偏差 | STDEVP | セル範囲に含まれる数値を母集団として計算した標準偏差を求める。 |
ぶるたろう
知識が定着化しやすいです。実務でも役立ちますから、この機会にExcel関数を覚えましょう!
「関数」を攻略する(各関数の解説)
ぶるたろう
関数①:論理積
できること | 複数の条件が、全てTRUEかどうか調べる。 |
書式 | 論理積 (論理式1,論理式2,…) |
Excelでは、AND関数と言います。
=AND(B2<=30,C2>=600)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるAND関数
関数②:論理和
できること | 複数の条件が、一つでもTRUEかどうかを調べる。 |
書式 | 論理和 (論理式1,論理式2,…) |
Excelでは、OR関数と言います。
=OR(B2<=30,C2>=600)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるOR関数
関数③:否定
できること | 結果を反転させる。 |
書式 | 否定 (論理式) |
Excelでは、NOT関数と言います。
=NOT(B2=”男”)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるNOT関数
関数④:IF
できること | 条件を満たす場合と、満たしていない場合に、返す値を指定する。 |
書式 | IF (論理式,式1,式2) |
Excelでも、IF関数と言います。
=IF(C2=”男”,”〇”,””)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるIF関数
関数⑤:最大
できること | 指定した範囲内の最大値を求める。 |
書式 | 最大 (セル範囲) |
Excelでは、MAX関数と言います。
=MAX(B3:B6)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるMAX関数
関数⑥:最小
できること | 指定した範囲内の最小値を求める。 |
書式 | 最小 (セル範囲) |
Excelでは、MIN関数と言います。
=MIN(B3:B6)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるMIN関数
関数⑦:平均
できること | 指定した範囲内の平均を求める。 |
書式 | 平均 (セル範囲) |
Excelでは、AVERAGE関数と言います。
=AVERAGE(B3:B6)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるAVERAGE関数
関数⑧:合計
できること | 数値の合計を求める。 |
書式 | 合計 (セル範囲) |
Excelでは、SUM関数と言います。
=SUM(B3:D3)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるSUM関数
関数⑨:条件付合計
できること | 1つの条件に一致する数値の合計を求める。 |
書式 | 条件付合計 (検索のセル範囲,検索条件の記述,合計のセル範囲) |
Excelでは、SUMIF関数と言います。
=SUMIF(B3:B8,”バナナ”,C3:C8)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるSUMIF関数
関数⑩:個数
できること | 指定した範囲に含まれる、空白ではないセルの個数を求める。 |
書式 | 個数 (セル範囲) |
Excelでは、COUNTA関数と言います。
=COUNTA(B3:B8)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるCOUNTA関数
関数⑪:条件付個数
できること | 1つの条件に一致するセルの個数を求める。 |
書式 | 条件付個数 (セル範囲,検索条件の記述) |
Excelでは、COUNTIF関数と言います。
=COUNTIF(C3:C8,”未完了”)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるCOUNTIF関数
ぶるたろう
関数⑫:切上げ
できること | 数値を指定した桁で切り上げる。 |
書式 | 切上げ (算術式,桁位置) |
Excelでは、ROUNDUP関数と言います。
=ROUNDUP(A2,1)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるROUNDUP関数
関数⑬:切捨て
できること | 数値を指定した桁で切り捨てる。 |
書式 | 切捨て (算術式,桁位置) |
Excelでは、ROUNDDOWN関数と言います。
=ROUNDDOWN(A2,1)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるROUNDDOWN関数
関数⑭:四捨五入
できること | 数値を指定した桁で四捨五入する。 |
書式 | 四捨五入 (算術式,桁位置) |
Excelでは、ROUND関数と言います。
=ROUND(A2,1)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるROUND関数
関数⑮:整数部
できること | 小数点を切り捨てて整数にする。 |
書式 | 整数部 (算術式) |
Excelでは、INT関数と言います。
=INT(A2)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるINT関数
関数⑯:表引き
できること | 指定した行番号・列番号にあるデータを取得する。 |
書式 | 表引き (セル範囲,行の位置,列の位置) |
Excelでは、INDEX関数と言います。
=INDEX(B2:C4,2,2)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるINDEX関数
関数⑰:照合一致
できること | 検索範囲内で指定した値で検索し、最初に見つかったセルの位置を数値で返す。 |
書式 | 照合一致 (式,セル範囲,検索の指定) |
Excelでは、MATCH関数と言います。
=MATCH(D2,B2:B5,0)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるMATCH関数
関数⑱:照合検索
できること | 検索範囲の1行目または1列目で特定のデータを検索し、該当する行の指定列にあるデータを取得する。(検索範囲内で該当する行がない場合、検索値以下の最大値を取得する) |
書式 | 照合検索 (式,検索のセル範囲,抽出のセル範囲) |
Excelでは、LOOKUP関数と言います。
=LOOKUP(D2,A2:A4,B2:B4)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるLOOKUP関数
関数⑲:垂直照合
できること | 検索範囲の1行目で特定のデータを検索し、該当する行の指定列にあるデータを取得する。 |
書式 | 垂直照合 (式,セル範囲,列の位置,検索の指定) |
Excelでは、VLOOKUP関数と言います。
=VLOOKUP(B3,$E$3:$F$5,2,FALSE)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるVLOOKUP関数
関数⑳:水平照合
できること | 検索範囲の1列目で特定のデータを検索し、該当する列の指定行にあるデータを取得する。 |
書式 | 水平照合 (式,セル範囲,行の位置,検索の指定) |
Excelでは、HLOOKUP関数と言います。
=HLOOKUP(B3,$F$2:$H$3,2,FALSE)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるHLOOKUP関数
ぶるたろう
しかし試験当日に焦らないように、ざっと目を通しておくのが良いかも。
関数㉑:順位
できること | 指定した数値の順位を求める。同順位の場合、最上位の順位になる。 |
書式 | 順位 (算術式,セル範囲,順序の指定) |
Excelでは、RANK関数と言います。
=RANK(B2,$B$2:$B$5,1)や=RANK(B2,$B$2:$B$5,0)のような書式になります。
- Excelの場合、順序の指定を行う際に、”0″だと降順、”1″だと昇順になります。
- 基本情報技術者試験では、”0″だと昇順、”1″だと降順になります。Excelの逆です。
詳細記事:1分でわかるRANK関数
関数㉒:乱数
できること | 0以上で1を超えない数値をランダムで発生させる。 |
書式 | 乱数 ( ) |
Excelでは、RAND関数と言います。
=RAND()のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるRAND関数
関数㉓:統合
できること | 複数の文字列を結合する。 |
書式 | 結合 (式1,式2,…) |
Excelでは、CONCATENATE関数と言います。
=CONCATENATE(B2,”-“,C2,”-“,D2)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるCONCATENATE関数
関数㉔:剰余
できること | 割り算の余りを求める。 |
書式 | 剰余 (算術式1,算術式2) |
Excelでは、AND関数と言います。
=MOD(A2,B2)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるMOD関数
関数㉕:平方根
できること | 平方根を求める。 |
書式 | 平方根 (算術式) |
Excelでは、SQRT関数と言います。
=SQRT(A2)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるSQRT関数
関数㉖:標本標準偏差
できること | セル範囲に含まれる数値を標本として計算した標準偏差を求める。 |
書式 | 標本標準偏差 (セル範囲) |
Excelでは、STDEV関数と言います。
=STDEV(B2:B5)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるSTDEV関数
関数㉗:母標準偏差
できること | セル範囲に含まれる数値を母集団として計算した標準偏差を求める。 |
書式 | 母標準偏差 (セル範囲) |
Excelでは、STDEVP関数と言います。
=STDEVP(B2:B5)のような書式になります。
詳細記事:1分でわかるSTDEVP関数
表計算のおすすめ本
ロングセラー本です。練習問題が多く、良い訓練になります。
この本を読んだうえで過去問に挑めば、表計算の対策としては万全と言えるでしょう。
まとめ:表計算を得点源にしましょう!
表計算は3つのポイントを勉強しておけば、必ず得点源にできます。
- 演算子
- 絶対参照
- 関数
基本情報技術者試験の合格を勝ち取りましょう!
以上です。
▼基本情報技術者のオススメ参考書、効率の良い勉強法、試験前日・当日にすべきことも紹介しています。合わせてどうぞ。
